個人事業主(一人親方)が綴る、ねこ丸ブログへようこそ。
脱サラ家庭の内部事情を、夫婦で執筆しております。
はじめに ― 独立して、見えたもの
「独立して、どう?」
そう聞かれることが、たまにあります。
上手くいっているときは、後悔なんてまったくありません。
でも、上手くいっていないときは、正直「これでよかったのだろうか」と思うこともあります。
後悔していないとも言い切れないし、後悔しているとも言い切れない。
そんな、どっちつかずの場所に今もいます。
いつも答えに困るんだよなぁ…
一人親方として独立してから、得たものがあります。
そして、失ったものもあります。
どちらも正直に書いてみます。
得たもの
出会いの広がり
会社員の頃は、会う人がほぼ決まっていました。
同じ部署、決まった取引先。
毎日似たような顔ぶれの中で、仕事が進んでいきます。
独立してからは、状況が変わりました。
現場ごとに人が違い、関わる職種も年齢もバラバラです。
職人さん、元請け、材料屋さん。
その一つひとつの出会いが、今の自分を形作っています。
責任と意思決定
一番大きな変化は、ここです。
すべての判断が、自分に返ってきます。
- 仕事を受けるかどうか
- 誰と現場に入るか
- 見積もりの金額
- 経費の使い方
会社員の頃は、どこかに“決めてくれる人”がいました。
今はそれがありません。
怖さはありますが、その分だけ「自分で生きている感覚」も強くなりました。
特に、見積もりを作り始めた頃は苦労しました。
材料費だけでなく、交通費・宿泊費・高速代・出張費。
深夜作業があれば、単価も変わる。
「自分の基準はいくらなのか」
そこから全部を組み立てていく必要がありました。
妻と金額で話し合い、意見がぶつかることもありました(笑)
つい熱くなっちゃうんです…
でも、その時間でようやく、「経営する側の感覚」が身についていった気がします。
挑戦できる自由
会社員の頃は、前例や方針で諦めていたことも多くありました。
今は、小さくても自分で決めて動けます。
結果がどうであれ、自分の判断として積み重なっていく。
それが、少しずつ自信につながっています。
直接届く感謝
会社員の頃の「ありがとう」は、会社に向けられていることが多かった気がします。
今は違います。
「またお願いしたい」
「頼んでよかった」
そういう言葉が、自分にそのまま返ってきます。
それだけで、きつい日でも少し踏ん張れることがあります。
失ったもの
毎月の安心感
会社員のときは、給料日が当然のようにありました。
今は違います。
来月の収入は、自分の動き次第です。
現場の状況、天候、予定のズレ。
不確定なものと、常に一緒にいます。
指示してくれる人
「これをやってください」と言われて動けばよかった時期もありました。
今は違います。
何をやるかも、やらないかも、自分で決める必要があります。
自由ではありますが、迷う余白も増えました。
守られている感覚
会社という組織の中にいたときは、どこか守られていました。
今は、自分の名前だけで立っています。
仕事の連絡が来ない夜に、不安になることもあります。
スマホを見続けてしまう時間もありました。
今でも、その不安が完全に消えたわけではありません。
それでも続けている理由
得たものと失ったものを比べると、正直に言って楽な働き方ではありません。
それでも続けている理由は、シンプルです。
会社員のままでは得られなかったものが、確かにあるからです。
責任を持つこと。
人と広く関わること。
自分で決めて動くこと。
そして、まっすぐな感謝を受け取ること。
そのどれもが、自分にとっては小さくない価値になっています。
おわりに
独立してから、不安がなくなった日は一度もありません。
ただ、不安の種類は変わりました。
そして、その不安と引き換えに得ているものもあります。
どちらが正解かは、今でも分かりません。
それでも、自分で選んだこの仕事で「ありがとう」と言ってもらえたとき、その答えに少し近づける気がします。
だから今日もまた、作業着に袖を通して現場へ向かいます。


