個人事業主(一人親方)が綴る、ねこ丸ブログへようこそ。
脱サラ家庭の内部事情を、夫婦で執筆しております。
はりきって出しに行った、開業届。
新たなことをやるとき、わくわくしますよね。
そんな私の出鼻をくじくような、
開業届にまつわるトラブル(?)について書いていきます。
たかが住所欄、されど住所欄
開業届を出すだけの、簡単な手続きのはずでした。
そう思っていたのに。
まさか税務署と押し問答になるとは。
つまずいたのは、住所を書く欄。
開業届の上のほうには、住所を書く欄がふたつ並んでいます。
横にスワイプすると続きが見られます/タップで拡大
出典:国税庁「個人事業の開業・廃業等届出書」
納税地とは?
区分は何を意味する?
ネットで説明を読んでも、いまひとつピンとこず。
「アパート住所だと、まずいらしい」
独立準備のため情報収集をしていたとき、こんな話を目にしました。
「賃貸のアパートを事業所として登録すると、大家さんとトラブルかも?」
「納税地を実家の住所にすればいいよ」
ファクトチェックしないまま、そうなんだーと鵜呑みにしました。
私は理解しないままネットの解説通り、納税地の欄に実家の住所を書きました。
区分は「事業所等」を選択。
そして下の欄に、いま住んでいるアパートの住所を書きました。
これで終わり、のはずでした。
でも、そこで別の問題に気づきます。
納税地を実家にすると、郵便物も実家に届いてしまう。
普段暮らしているのは、アパートのほうです。
これでは、大事な書類を見落としてしまう。
そう思って、税務署に聞きました。
「郵便物は、アパートのほうに届けてもらえますか」
返ってきた答えは。
「それはできません」ときっぱり。
先輩の話を、信じきった
ここで、ある先輩の言葉が私を突き動かします。
「郵便物、普通に届いてるよ」
個人事業主の先輩が、そう教えてくれていました。
何度か「本当にできる?」と確認しましたが、「できる」の回答。
とても自信満々に見えたので、できるはずだと信じてしまい…。
私は迷惑にも、何度も税務署に電話をかけてしまいました。
窓口まで足を運び、それでも納得できず、また問い合わせる。
埒が明かず、最後は妻に代わってもらいました。
今思えば、本当に自分の行動が恥ずかしい。
ひとの話を鵜呑みにして、一歩も引かなかった自分。
先輩の記憶違いかもしれないし、
先輩には先輩なりの、別の事情で可能だったのかもしれない。
住んでいる地域も、届け出た時期も、状況が違えば結果も変わるもの。
それを、自分にもそのまま当てはまると思い込んで、何度も交渉を続けていました。
あとになって、冷静になってみれば、
自分でよく理解せず、ひとの話を鵜呑みにして、押し通そうとしていたのです。
転居届でしぶしぶ解決
結局、納税地は実家のまま登録することにしました。
そして、郵便局に、転居届を提出。
実家宛ての郵便物を、アパートに転送してもらう仕組みです。
たったこれだけで、解決する話。
でも、当時の私はなぜか意固地になって、「できるはず」と言い張っていました。
開業という晴れの舞台で興奮していたからなのか。
冷静さを失い、税務署に何度も電話をかけていた時間は、いったい何だったのか。
税務署の方、お忙しいなか、本当にごめんなさい…
ちなみに、郵便局に出すこの書類の正式名称は「転居届」です。
市区町村の役所に出す転居届とは、まったく別のもの。
なお、転居届は名義ごとの登録になります。
転居届を使うときの、二つの注意点
ただ、この方法にも、気をつけたい点があります。
「転送不要」の郵便物は転送されない
金融機関からの書類などには、「転送不要」「転送不可」と書かれていることがあります。
これらは転居届を出していても転送されません。
しかも、実家に届くとも限らない点が厄介です。
表札と宛名が一致しないなどの理由で、差出人に返送される場合もあります。
大事な書類は、差出人に直接、住所変更を伝えておくのが確実。
また、屋号宛ての郵便は転送されないことがあるため、念のため実家には屋号を書いたポストを置いています。
転居届は、毎年出し直しが必要
転送期間は、1年間です。
しかも「延長」という手続きはありません。
1年経つと自動的に解除されるため、また新しく転居届を出し直すことになります。
私は今も、毎年忘れずにこの手続きを続けています。
うっかり忘れると転送が止まってしまうため、要注意です。
そもそも、最初の判断もネット情報だった
そもそもアパートを避けた判断も、ネットで見た情報がきっかけでした。
「大家さんとトラブルかも」
その一行を読んで、私は実家の住所を書いた。
理由なんて、ひとつも理解していませんでした。
あとで調べてわかったのですが、結論としてはネットの情報は間違ってませんでした。
賃貸の契約書には「使用目的」という欄があります。
多くは「居住のみ」と書かれていて、事業に使うなら大家さんの許可がいる。
そこを無視すると、契約違反を指摘されることがあるのです。
ただし、開業届を出しただけで大家さんに通知が届くわけではありません。
問題の根っこは、届出ではなく、契約書のほうにありました。
つまり私は、結論だけを拾って、理由を飛ばしていた。
中身をろくに調べもせず。
契約書を確認もせずに。
人の話は、なぜ当てにならないのか
先輩の「普通に届くよ」も、たぶん嘘ではなかったと思います。
その人にとっては、本当にそうだったのでしょう。
でも、条件が違えば結果は変わる。
住んでいる場所、届け出た時期、事業の中身。
同じように見える手続きでも、細かい条件で答えが分かれます。
特に税金や届け出の扱いは、そこが顕著。
経費処理の誘惑なんかが、まさにそうです。
「自分はこれ経費で大丈夫だったよ」
これは絶対に信用してはいけません。危険です。
その人が大丈夫だったのは、その人の条件だったから。
同じことをして、自分も大丈夫とは限らない。
そして、これを言うのはなんですが、
私のようなブログの体験談も、あくまで「私のケース」です。
嘘偽りなく書いているつもりですが、それでもケースバイケース。
鵜呑みになさらないようご注意ください。
あの時の学びを大切にする
開業届の住所欄ひとつで、こんなに押し問答になるとは思いませんでした。
でも、あのとき妻が電話を代わってくれたことは、今でも覚えています。
一人で意地を張っていた私を、そっと助けてくれました。
あのできごとから、
人から聞いた話は、どれだけ念を押しても、裏付けにはならない。
ネットやSNSの内容も常に疑ってかかる。
そう肝に銘じています。
だから最後は、必ず自分で出所に当たる。
遠回りに見えて、これが一番早いと知ったからです。
これから開業届を出す方へ。
調べてもわからないことは、直接、税務署の方に確認してみてください。
こんな厄介な奴にも、とても親切に対応してくれました。
ネットや知人の話は、あくまで参考程度に。
最後まで、ご覧いただきありがとうございます。
※注意・免責※
本記事は個人の体験と調査をもとに書いています。情報の正確性を保証するものではありません。
内容は執筆時点のものであり、制度変更や地域・条件により異なる場合があります。
詳細は税務署や税理士など、専門家にご確認ください。


