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人間関係・メンタル

「教育費ほしいくらい」と笑われて|業務委託で受けたパワハラと契約解除の記録

「教育費ほしいくらい」と笑われて|業務委託で受けたパワハラと契約解除の記録

個人事業主(一人親方)が綴る、ねこ丸ブログへようこそ。
脱サラ家庭の内部事情を、夫婦で執筆しております。

出会う人は、いい人も多いけれど…

人間関係つらくないですか?

私は、とくに目上の人との確執に、長年悩み続けました。

「今までつらかったことないよ」なんて人いないと思います。

人間関係の問題は、何歳になっても、会社辞めても、この社会で生きていくための宿命ですよね。
独立してからも当然なくなるわけでもなく…。

開業してからこの二年、いろいろな方と仕事をしてきました。
会社と違って、毎回新しい人との出会いがあります。

誠実で、対等に向き合ってくださる方、出会えてよかったと思う方も多いです。

そんな人たちといい仕事をするとき、独立してよかった!と、心から思えます。

しかし中には、当然、価値観の合わない人もいる訳で…。

以前、会社員時代にパワハラを疑われた側の記事を書きました。
今回は、逆の立場。私が独立後「受けた側」になった話です。

現在、その方との取引はありません。

これがパワハラだったのかどうか、今も断定はできません。
そもそも、パワハラの難しさは明確な基準がないことです。

でも、あのとき私が感じたことは、確かなことでした。

こんな話は、書くのもどうかと思いましたが、それでも、自分の中で整理がついた今だからこそ、残しておきます。

原因はなんだったのか、なにが悪かったのか…。

きっかけは、未経験の分野への進出

事業の壁にぶちあたっていたときのこと。

新分野へ挑戦しようと探していたところ、その取引先Aさんと出会います。

Aさんは事業が順調だが人がいなくて困っている!と未経験の私でも快く受け入れてくれました。

未経験なので教育しつつ手伝う、ということで合意。
未経験なので労務費は最低限でしたが、それでも教えてもらえるということで、私にとって願ったり叶ったりの条件。

しかし今にして思えば、この契約の話の時点で、すでに危険の予兆が…。

「簡単だからすぐ覚えるよ」

初めて会った交渉の席で、このセリフが何度もAさんの口から出ていました。
また自身の経歴を語る中で、過去に一緒に働いていた人のことを、まるで相手だけが悪かったかのような口ぶりで語ります。

人が離れていく理由が、すべて相手側にある。
そういう話し方でした。

でも、このときの私は、新しいことへ挑戦するという希望に燃えていて、ちっともこの違和感に気づきませんでした。

現場で言われ続けたこと

これはやばいぞ!

自分の中でアラートが鳴り始めたのは、現場を一緒にするようになって3日目から。

私は未経験。
業務委託という形ですが、当然、教える立場・教わる立場、という上下関係が生まれます。

常に怒鳴り口調で、威圧されているよう。
分からないことを聞くと、人前でも構わず嘲笑うことも。
メモを取ることも、よしとされませんでした。
他の方と比べられていることも、伝わってきました。

経験してきた日数も、積んできたものも違う。
違って当たり前ではないか、そう内心では思っていました。

Aさんがそのときそのときの感情を、ぶつけているだけ。

現場の空気は、いつも重たく、次第に、私は萎縮して、言い返すこともできなくなりました。

許せなかった発言

ある日のことです。

Aさんが別の職人さんに、こう話しているのが聞こえてきました。

「教育費ほしいくらい」

笑いながら、そう言っていました。
相手の方も、笑っている。

直接言われたわけではありません。

でも、聞こえてしまった瞬間のことは、今でもはっきり覚えています。

情けなさが、じわりと込み上げてきました。

悔しくて。

それでも、聞かなかったふりをするしかありませんでした。

ねこ丸くんアイコン(泣き顔)
直接言われたわけじゃない。でも、こういうのが一番こたえる

「未経験だと承知の上で、合意して契約したのでは…?」

心の中で、あの発言への不満がくすぶりました。

曖昧な契約内容

労務費や労働時間についても、曖昧でした。

金額には、ある程度の幅があり、仕事を覚えたら、昇給するという形。

でも、それが上がるかどうかの基準は、明示されず。

数字でもなく、スキルでもなく、その日の、相手の気分次第。

気分で金額が決まります。

曖昧だったのは、それだけではありません。

拘束される時間についての取り決めも、ありませんでした。
時間が大幅に遅くなっても、早く出ても、そのぶんが加算されることはない。
翌日の現場も、集合時間も、前日の夜中にならないと連絡が来ない。

それが、普通のことになっていました。

ぎりぎりまで、悩む

つらい。

今すぐ辞めたい。

でも契約を解除するかどうか、ぎりぎりまで悩みました。

仕事を断れば、収入が絶たれます。
それに、私の中にはどこか昔ながらの感覚が残っていて、ここで辞めたら、逃げたことになるのではないか。

そんな気持ちも私をより悩ませました。

ねこ丸くんアイコン(心配顔)
辞めたい。でも「逃げた」って思われるのが怖くて言い出せない

でも、ここで我慢して続けたとして、その先に何があるのか。
なぜここまでの思いをしながら、仕事を続けなければいけないのか。

個人事業主は自由だと思っていました。
でも実際は、仕事を得るために我慢する場面がたくさん。

人間関係から解放されたくて独立した、夢見る自分を恨んだりもしました。

何日も悩んだ末に、私はAさんとの契約解除を選択。

正しい判断だったのか、そのときはまだ分かりませんでした。

続けていれば、事業はもっと好調だったかもしれません。
新分野への進展も実現したかもしれません。

みんな頭を下げて、必死に稼いでいます。

その中で、自分はわがままなのだろうかとも考えました。

最後に届いた、長いメッセージ

契約解除を伝えたあと。

後日、長いメッセージが届きました。

その中に、こんな一文が。

「どんなに仕事ができなくても、俺はあなたを見捨てなかった」

それを読んだとき。

ああ、やっぱりこの人はこういう人なんだな、と思いました。

対等な取引先では、なかったのだと思います。

拾ってやった、面倒を見てやった。

そういう関係だと、思われていたのでしょう。

あれだけ悩んだけれど。

思い切って解除して、よかった。

そう思えた瞬間でした。

失敗の原因①性格と考え方が、真逆だった

今振り返って、うまくいかなかった原因を考えています。

まずは、相性の問題。

性格がまるで違い過ぎました。

ある程度の経験がある者同士、年齢も近かったです。
仕事のやり方をある日突然変えることは難しい。

私は慎重派です。Aさんはサクサク派のようでした。

私もAさんも、それなりの年齢なので、それぞれのやり方があります。

教育に関してもそう。

私には、私なりの教え方・覚え方があります。
メモを取って、自分の頭で整理して、何度も聞いて、少しずつ身につけていくタイプです。

考え方の根っこから、否定されて、まったくもって「真逆」でした。

就職の面接でも仕事の契約でもどちらでもそうですが、その場の短時間で相手を見極めることの難しさを身に染みて感じました。

失敗の原因②お互いの期待値がズレていた

契約の時点で、お互いの求めているものを、はっきりさせていませんでした。

冒頭に書いたように、相手は「簡単だからすぐ覚えるよ」という言葉を連発していました。

「二年もすれば一人前」とも。

今思うと、未経験で二年で一人前なんて職ありませんよね。
私への期待が高い。求めるものが多い。

Aさんも独立するまでは、もっと何年も時間をかけています。

そこの違和感に早く気づいていれば。

契約の時点で、相手の期待値と私の意見をしっかりすり合わせていれば。

こんなにすれ違うことも、なかったのかもしれません。

ただ、Aさんにも言い分はありました。

「自分もそうやって育てられた」と。
苦労を重ねて、今の成功がある、と。

修行時代を経て、独立してからも苦労を重ねてこられたそうです。

その言葉に、嘘はなかったのだと思います。
きっと、その人なりの正しさがありました。

ただ、それが私とは合わなかった。

失敗の原因③自分のダメだったところ

相手のことばかり書いてきましたが。

ここで最大の私のダメ出しをします。

新分野進出を、なめてました。

未経験の分野に挑戦すると決めるとき。
私は普段から、事業の計画を立てるとき、もちろんその仕事について調べます。

でもなぜか、楽観的に構えていたのです。

どこかで、簡単にできるものだと高をくくって挑んだ自分。

現場で15年以上やってきたんだから、まったくの経験ゼロではない。
なんだかんだうまくやれるだろう。

あきらかに自分への過信でした。

さらに、序盤に書いた、最初の場ですでに出ていた危険な予兆に気づけなかったのも自分です。

「簡単だからすぐ覚えるよ」という言葉。
人が離れていったことを、相手のせいだけにする話し方。

どちらも、最初に聞いていたはずです。

誤解のないように書いておくと、トラブルが起きたとき、他人が原因の場合も当然あります。

しかし100%他人のせいだと考えるのも、それはそれで違う気がします。

気になったのは、そこに自分を一切入れていないことでした。
相手が悪い。それだけで終わっている。

そのことを私は、見落としました。

あのとき交渉の場で、その違和感に気づけていれば…。

失敗の原因④決意は、いつのまにかぶれていた

実は以前、別の取引先から売掛金が入金されなかったことがあります。

あのとき、これからは書面で残そうと心に決めていたつもりでした。

それなのに、ここでも同じことを繰り返していました。

決意は、いつのまにかぶれていて、そのせいで相手にも自分にも双方に不利益を与える結果になったのです。

人を一人受け入れるには、労力も費用もかかります。
その時間を無駄にさせてしまったことは、Aさんに対し大変申し訳なく思っています。

結局のところ、求めるものの合意が、うまくできていなかった。

書面化していれば、可視化され双方の求めるものがお互い確認できたかもしれません。

反面教師として、心に刻んでいます

ここまで書いておいて何ですが。

価値観は、人それぞれです。

Aさんが間違っていた、と言うつもりはありません。

ただ、私とは合わなかった。

そして今は、こう思っています。

「この人の逆をすればいい」と。

実は、この考え方は今に始まったことではありません。
会社員だったころも、厳しい指導をする上司の下でやってきました。

そのたびに思っていたこと。
自分は、絶対にこんな教え方はしない、と。

その気持ちだけは、ずっと変わっていません。

厳しくするより、認める。
一度で覚えろと言うより、何度でも聞いてもらう。
笑うより、一緒に考える。

個人事業主だろうが、会社員だろうが、子育てだろうが、このやり方でやっていく、そう改めて思いました。

ねこ丸くんアイコン(うなずき顔)
嫌だった経験も、こう考えたら少しは報われる

私が考えた、トラブルの回避策

契約を結ぶ時点で、お互いの期待値をきちんとすり合わせておくこと。

言うのは簡単ですが、実際にはハードルが高い。

書面に残すのも、メールで証拠を残すのも、手間がかかります。
そもそも、条件を細かく詰めること自体、言い出しにくいものです。
仕事をもらう立場なら、なおさら。

だから私は、お試し期間をつくることが回避策になると考えました。

期間を区切って、お互いの様子を見る。
合わなければ、そこで終わりにできる。

これは相手にも、はっきり伝えるつもりです。

お互いのため、ですから。

さいごに

こういう理不尽な思いをしたとき、自分を守る手段は、そう多くありません。

ただ、立場の弱い個人事業主や下請けを守る法律も、少しずつできてきているようです。

そして、相談できる場所もあります。

厚生労働省が委託し、第二東京弁護士会が運営している「フリーランス・トラブル110番」という窓口です。
あいまいな契約や報酬の未払いだけでなく、ハラスメントについても相談でき、費用は無料とのこと。

私は、当時この窓口を知りませんでした。

知っていたら、あの何日も悩んだ時間は、もう少し短かったのかもしれません。

法律のほうの話は、また次回。

これからも、いろんな人と出会うのだと思います。

合う人ばかりではないはずです。

それでも、いい出会いを楽しみに。

そう思えるくらいの余裕を持っていたいと思っています。

ご覧いただきありがとうございました。


※注意・免責※

この記事は、私自身の経験と、そのときの受け止めをもとに書いたものです。特定の人物を指すものではなく、個人が特定されないよう内容を一部変更・脚色しています。

何がハラスメントにあたるかの判断は、状況や当事者の関係によって異なります。本記事は法的な評価をするものではありません。

相談窓口に関する記述は、2026年9月時点のものです。受付時間や対応内容は変更される場合がありますので、ご利用の際は「フリーランス・トラブル110番」の公式サイトでご確認ください。

ご自身のケースについては、弁護士などの専門家にご相談ください。

執筆:ねこ丸