個人事業主(一人親方)が綴る、ねこ丸ブログへようこそ。
脱サラ家庭の内部事情を、夫婦で執筆しております。
独立に向けての準備のひとつ。
仕事道具の買い揃え…!
工具好きの私としては、開業前の楽しみのひとつでした。
が、Amazonのカートを開いて、合計金額を見た瞬間。
思わず声が出ました。
安全のための装備品とはいえ、独立したての財布にはなかなかの金額。
「本当に買っていいのか?これからの仕事まだ不透明なのに…」
こんな迷いが一瞬頭をよぎりましたが、それでももう退職届はだした。
買うしかありません。
高所作業をする以上、安全帯は必須。
そもそも、なぜここまでしっかりとした装備が必要なのか?
脱サラして、個人事業になったことで初めて、仕事のすべてに自分ごととして向き合うことになりました。
その意識の違いが、道具選びに影響しました。
一人親方は安全帯を自分で揃える|フルハーネス義務化の背景
建設業の高所作業には、法律のルールがあります。
2022年1月2日から、墜落制止用器具の規格が全面適用されました。
6.75mを超える高さではフルハーネス型が必要で、建設業では5mを超える箇所でもフルハーネス型の使用が推奨されています(厚生労働省「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」より)。
6.75m以下の高さでは胴ベルト型も使えますが、単純に高さだけで決まるわけではありません。
作業内容や取付設備の状況などに応じて、適切な器具を選ぶ必要があります。
どちらにしても、新規格の器具でなければいけません。
会社員のときは、会社が決めた支給品を使うだけで済みました。
しかし一人親方は、現場に出る自分自身が装備を揃える立場です。
個人事業主は完全な自己責任。
法律面も、装備選びも、自分で調べて判断しないといけません。
下手なものを選べば、自分の命にかかわります。
だからこそ、これだと思う装備で揃えたかった。
開業するときにかかるお金は、家計になかなかのダメージでした。
それでも買いたかった装備はタジマのフルハーネスです。
会社員時代は藤井電工、独立してタジマを選んだ理由
会社員時代、私が使っていたのは藤井電工の支給品でした。
会社が選んだものなので、性能に不満はなく頼れる装備でした。
ただ、心のどこかにずっとあったのが、タジマへの憧れです。
工具本体は会社の支給品でしたが、腰まわりの小物だけは自分で選んで買っていました。
そのひとつが、タジマのセフホルダーです。
腰ベルトに工具を挿すためのホルダーですが、個人的に仕様が神。
そこでタジマというメーカーに惚れてしまい、独立して自分で選ぶなら、安全帯も、タジマで揃えたいと思っていました!
工具好きの方にはこの気持ち、分かってもらえると思いますが…。
タジマ フルハーネス3点セットの価格|合計38,395円
購入したのは、この3点です。
すべて同時に、1回で購入しました。
| 商品名 | 型番 | 購入価格 |
|---|---|---|
| ハオルハーネスHS シングルL5・ダブルセット | A1HSKR-WL5BK | 31,900円 |
| 胴当てベルト | CRX800 | 4,219円 |
| 胴ベルト(新規格) | BSL145-BK | 2,276円 |
| 合計 | 38,395円 | |
※価格は2024年4月購入当時のものです。
現在の価格は変動している可能性があります。
3点合計の金額は、正直、想像より高いものでした。
カートの合計を見た瞬間の「高い……」は、まさにこの数字を見たときのことです。
それでも、届いて試しに装着してみたときは、やっぱりうれしかった。
憧れのタジマを、ようやく自分の体に着けられたからです。
ハオルハーネスHSのスペック|「シングルL5・ダブルセット」の意味
商品名にある「シングルL5・ダブルセット」。
私も最初、意味がよく分かっていませんでした。
これは、ランヤード(命綱部分)KR150FAが、フック1個のシングルタイプで、フックの種類が「L5フック」であることを指しています。
そのシングルタイプのランヤードが、2本セットになっているという意味でした。
ハーネス本体側の公式スペックも確認しておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ベルト幅 | 41mm(ソフトでしなやかな質感) |
| 構造 | スマートパス構造・アンダーパス構造 |
| 腿バックル | 硬質スチール製腿ワンタッチバックル |
| パッド | 肩・背中パッドを標準装備 |
| サイズ | フリーサイズ |
| 使用可能質量 | 100kg以下(体重+装備品の合計) |
| 製品重量 | 2,790g(ハーネス+ランヤード2本+パッド) |
この表で、買う前に必ず見てほしいのが「使用可能質量」です。
これは体重だけの話ではありません。
腰道具を含めた装備品との合計で判断します。
厚生労働省のガイドラインにも、器具を使う人の体重と装備品の合計の質量が、使用可能な最大質量を超えないように選ぶこと、と書かれています。
合計で100kgを超えるなら、タジマからは130kg用のハオルハーネスHSも出ています。
「スマートパス構造」は、腰道具の上を通るベルトを細幅にして、腰道具の隙間にベルトを逃がせる仕組みです。
「アンダーパス構造」は、骨盤ベルトの位置をギリギリまで下げて、ハーネス背面の下に腰道具をすり抜けさせる空間を確保した仕組みです。
言葉だけ見ると難しそうですが、実際に使ってみると、この2つの構造のおかげで、胴ベルトを装着したままハーネス本体だけを脱ぎ着できることに気づきました。
買う前には分からなかったこと|腰道具を付けたまま脱ぎ着できる
高所作業のある日は、胴ベルトBSL145-BKに腰袋などの道具を取り付けて作業しています。
そして高いところに上がるときだけ、その上からハーネスを装着する流れです。
会社員時代に使っていた藤井電工の装備は、ハーネスと胴ベルトが一体型でした。
高所作業のたびに腰道具ごと着脱し直す必要があり、これがなかなか手間のかかる作業だったのです。
タジマの3点セットは、胴ベルトとハーネスが分離できる構造になっています。
メーカーも「腰道具を付けたまま脱ぎ着ができるので、ハーネスを使う時に胴ベルトを外す必要がない」ことを、この製品の一番の特長として打ち出しています。
低所作業と高所作業の切り替えが簡単、というのがまさにその意味でした。
腰袋を付けたままの胴ベルトはそのままに、ハーネス部分だけをサッと着脱できる。
これは、カタログのスペック表を見ているだけでは分からなかったことです。
実際に現場で何度も着脱してみて、初めて実感できた便利さでした。
ちなみに、胴当てベルトCRX800は「安全帯胴当てベルト」という商品名ですが、メーカーの注記には「安全帯ではありません」と明記されています。
役割は、胴ベルトに取り付けて腰への負担を軽減するサポーターです。
クッションがあるのとないのとでは、まったく違います。
胴ベルトを直に巻くと、腰に食い込むような違和感があります。
一度このサポーターの快適さを知ってしまうと、もう戻れません。
腰袋を掛けるためのベルトとは、別物でした。
タジマ フルハーネスの口コミと実際の使用感を照合
購入前、私自身がネットでいくつか口コミを見ていました。
実際に使ってみて、クチコミの傾向と大きくズレるところはありませんでした。
| 私が購入前に見た口コミの傾向 | 私の実感 |
|---|---|
| 脱着がスムーズという声 | 胴ベルトを着けたままハーネスだけ着脱できる点で実感 |
| フィット感がいいという声 | 会社員時代の支給品と比べても違和感なく体になじんだ |
| 値段が高いという声 | 3点合計38,395円。うん、確かに高い |
口コミは、あくまで他人の感想です。
とはいえ、事前に傾向をつかんでおいたことで、届いてからの装着で思っていたのと違う…とはなりませんでした。
逆に、使ってみて「これはしんどい」と感じるところも書いておきます。
ひとつは、夏の暑さです。
ハーネスを締めている以上、風通しは確実に悪くなります。
これはタジマに限った話ではなく、フルハーネスを着る以上は避けられません。
もうひとつは、フリーサイズゆえの調整です。
体格に合わせてベルトの長さを合わせる手間は、最初にどうしてもかかります。
一度決まってしまえば、あとは着るだけなのですが。
フルハーネスの耐用年数|部位ごとに交換目安が違う
ここから先は、あくまで私個人が調べて実践しているやり方です。
取扱説明書や、現場ごとの安全ルールが優先されるべきものだと考えてください。
墜落制止用器具の使用期限は、法律で明確に定められているわけではありません。
ただし、日本安全帯研究会など業界団体による自主基準として、次のような目安が示されています。
| 部位 | 交換目安 |
|---|---|
| ランヤード(命綱部分) | 使用開始から2年 |
| ハーネス本体・胴ベルトなど | 使用開始から3年 |
※上記は法的な義務ではなく、業界団体による自主的な目安です。
この年数を超えたら即交換が必要という意味ではなく、使用状況や保管環境によって劣化の速度は変わります。
点検して問題がなければ、目安を超えていてもすぐに使えなくなるわけではありません。
私が2024年4月に購入した3点でいうと、ランヤードは2026年4月、ハーネス本体は2027年4月が、それぞれの目安のタイミングにあたる計算になります。
ランヤードは、すでにその目安を過ぎました。
点検して問題がないことを確かめたうえで、今も使い続けています。
今のところ、定期点検の記録簿などはつけていません。
使う前には、メーカーの取扱説明書に従って、傷やほつれ、部品の異常などがないか確認するようにしています。
一度でも落下時の衝撃を受けた器具や、点検で不備が見つかった器具は、目安の年数に関わらず、すぐに使用を中止するべきだと案内されています。
まとめ|タジマのフルハーネスをもう一度買うか
3点合計38,395円という金額は、独立したての私にとって、決して軽い出費ではありませんでした。
それでも、次に買い替えるときも、引き続きタジマで揃えるつもりです。
高いと感じた値段の分だけ、しっかり守ってもらう。 そしてベストの状態で、いい仕事を日々こなしたい!
命を守る装備だけは、妥協せずに揃える。
ちなみに、この記事で少し触れたタジマのセフホルダーは、今では3種類を使い分けています。
胴ベルトに付けているものと、作業ズボンのベルトに付けているものが違うのですが、その話はまた別の記事でまとめようと思います。
※注意・免責※
この記事は、私自身の経験や調べた内容をもとに書いたものです。使用環境や作業内容によって、感じ方や結果は異なります。
記載している価格は2024年4月の購入時のものです。現在の価格とは異なる場合があります。
法令やガイドライン、業界団体の基準の説明は、執筆時点の公表情報にもとづく概要です。安全帯・墜落制止用器具の選び方や使用期限は、必ずメーカーの取扱説明書と現場の安全ルールを優先してください。


