個人事業主(一人親方)が綴る、ねこ丸ブログへようこそ。
脱サラ家庭の内部事情を、夫婦で執筆しております。
「会社を辞めて独立したら、企業型DCのお金ってどうなるの?」
こう思って調べている方多いのではないでしょうか?
夫が会社を辞めて個人事業主になったとき。
私も頭を抱えていました。
悩んだ末、私たちはこの企業型DCのお金をiDeCo(個人型確定拠出年金)に移しました。
このブログでは、これまで何度も「しぶしぶ続けているiDeCo」の話を書いてきました(笑)
今回は、その「しぶしぶ」の始まりの話です。
今現在は、しぶしぶ…とまでは思っていません。
企業型DCやiDeCoには多少難点もありますが、うまく使えばありがたい制度です。
当時はそれを知らず、うまく活用できていなかったので、もったいなかったなと思っています。
あのときはiDeCoという選択にたどり着くまでが、なかなかの大変な道のりでした。
この記事は、これから会社を辞めて、自営業や無職になる方(次の勤め先に企業年金〈企業型DC・DB〉がない方)に向けて書いています。
iDeCoにするかそれ以外か、選択肢を比較検討するための情報と私の意見を書いていますので、参考にしてみてください!
※お金を移すことを「移管」と呼ぶことが多いですが、正式には「移換(いかん)」といいます。この記事では「移す」と書きます。
退職後の企業型DCはどうなる?
会社を辞めると、その翌日に、企業型DCの加入者ではなくなります。
この日を「資格喪失日」といいます。
ただ、積み立てたお金は、原則60歳まで引き出せません。
辞めたからといって、現金で戻ってくるわけではありませんでした💦
そこで、自分でお金の移し先を決めて、手続きをする、という作業が不可欠になってきます。
移管の期限は6か月
手続きの期限は、資格喪失日がある月の翌月から数えて6か月以内。
わが家の場合、夫の退職日は5月31日。
資格喪失日は6月1日なので、7月から数えて6か月、12月末が期限でした。
6か月もあれば余裕。
……と思いきや、辞めた直後はほかの手続きが山のようにあります(後ほど書きます)。
はじめての経理という難題もあり、余裕なんてまったくありませんでした。
退職後に放置すると、どうなる?
期限までに手続きしないと、お金は「国民年金基金連合会」という団体に、自動で移されます。
これを「自動移換」といいます。
- 商品は売られて、現金のまま置かれる(利息もつかない)
- 移されるときに約4,300円、その後も管理の手数料が、年1回まとめて残高から引かれる
- 受け取れる時期が遅くなることがある
(参照:iDeCo公式サイト/転職・退職された方へ(自動移換の手数料)。金額は2026年10月時点です)
放っておくと、増えないうえに、手数料だけが引かれていきます。
それなのに、こうなっている人は、お金が残っている人だけで約78万人。
1年で新しく移される人も、約15.6万人います(2025年3月末時点)。
(参照:厚生労働省/確定拠出年金制度の運用改善等に関する有識者懇談会 資料7(国民年金基金連合会・PDF))
もう期限を過ぎてしまった方は、記事の後半「移管が間に合わず、6か月過ぎたら?」をご覧ください。
自営業が選べる企業型DCの移管先は?
行き先は4つ。でも、自分で選べるのは実質2つです。
会社を辞めて自営業になる場合、自分で選べる道は2つ。
厳しい条件つきの道が1つ。
そして、選ばなかった人が送られる先が1つあります。
(参照:厚生労働省/年金資産の持ち運び(ポータビリティ)、三菱UFJ信託銀行/脱退一時金について)
ちなみに、勤めた期間が3年未満で辞めると、会社が出した掛金の一部や全部を、会社に返す決まりになっていることがあります。
あるかどうかは会社の規約しだいなので、辞める前に確かめておくと安心です。
制度の名前と、運営している団体
調べていて、いちばん混乱したのがココ。
制度の名前と、運営している団体の名前が、似すぎ…!
※2026年10月時点。手続きで目にした名前を中心に整理しています。
「国民年金基金連合会」と「企業年金連合会」は、名前が似ているだけの別の団体です。
しかも、表をよく見ると…。
iDeCoは申し込みが金融機関なので、手続きのときに団体の名前はほとんど見えません。
それでいて、放置した人のお金も同じ団体が預かっている。
辞めた直後は大忙し
6か月あるのに、なぜあせったのか。
答えは、同じ時期にほかの手続きが重なるからです。
私が抱えていたのは、これだけありました。
- 健康保険の任意継続:資格喪失日から20日以内
- 国民年金への切り替え(夫婦ふたり分):14日以内
- 開業届:当時は事業を始めた日から1か月以内(いまは、その年の確定申告の期限まで)。青色申告の申請は2か月以内
- 退職金の受け取り方の選択
- 企業型DCの移し先:資格喪失日の翌月から6か月以内
※期限は原則です。開業届と青色申告の申請は、事業を始めた日で変わります。
期限の短いものから、どんどん迫ってきます。
青色なんとかーとかまず名前すら知らないものの連発。
一から調べないといけません。
時間はあっという間に消えていきます。
それと並行して未経験の経理というものが始まりました。
会計ソフトの扱いに悪戦苦闘の日々。
退職金の受け取り方だけでも、さんざん時間を使いました。
どれがいちばんあせったかと聞かれたら、全部です。
(前にも、まったく同じことを書いた気がします)
健康保険の話は、こちらに書いています。↓↓↓
《国民健康保険がえぐい!個人事業主になって知った4つの違いと保険料を抑える6つの対策》
ちなみに、在職中に出したその開業届。
出す日は、実は失業保険の手当にも関わります。
その後悔は、こちらです。↓↓↓
《脱サラも再就職手当の対象かも?失業保険を勘違いした個人事業主の後悔》
事業のことで手一杯の夫
企業型DCもiDeCoも、夫の名義です。
調べて、説明して、相談して、書類をそろえるのは私。
もちろん手続き自体は夫本人の仕事です。
でもほんっっとに関心がないようで、
説明したり相談したりしても、毎回テキトーでしたね(笑)
78万人の仲間入り候補がここにいた
独立したての夫は、仕事のことで頭がいっぱい。
お金の手続きは、気づけば完全に家計担当の私の仕事になっていました。
通算企業年金かiDeCoか
当時の私の金融知識は、ほぼ皆無。
ネットや公式サイトで調べて悩んで、決めるまでに1か月くらいかかりました。
迷ったのは、この4つです。
- 脱退一時金で、現金でもらえないか
- iDeCoか、通算企業年金か
- iDeCoで掛金を出すか、止めて運用だけにするか
- どこの証券会社で、何を買うか(←これが最大要因!)
現金でもらえないか、から調べた
いちばん最初に期待したのは、脱退一時金でした。
現金でもらえれば、独立直後の家計の足しになる…と。
でも、条件に当てはまりませんでした。
国民年金を払う自営業の夫は、iDeCoに入れる人だからです。
この道は、早々に消えました。
通算企業年金は「増えないでしょ?」
次に迷ったのが、iDeCoか、通算企業年金か。
ここで判断を決めたのは、企業型DC時代のショックでした。
投資が怖かった私たちは、企業型DCで、いちばん無難そうな商品を選んでいました。
2、3年ほどで、増えたのは2,000円ほど。
その目で通算企業年金を見ると、自分で商品を選べない、決まった利率で計算される、原則65歳まで受け取れない。
自分で選べないなら、企業型DCの二の舞になる。
そう思って、外しました。
iDeCoなら、商品を自分で選べます。
怖さは残っていましたが、今度は投資信託にすることだけは決めていました。
当時も、決まった利率がつくことは知っていました。
ただ、1%台という数字を見て、「ほとんど増えないやん」と思ったのが正直なところです。
いまの利率は、45歳未満で移した場合で年1.25%です。
並べてみると、こうなります。
※2026年10月時点の概要です。60歳から受け取るには、加入期間などの条件があります。
(参照:企業年金連合会/通算企業年金特設ページ、厚生労働省/年金資産の持ち運び)
ちなみに「通算」は、「合わせて数える」という意味です。
もともとは、転職をくり返した人が、いくつもの会社の企業年金を1か所に集めるための仕組みでした。
名前だけ見ると就職する人向けに見えますが、独立した人も選べます。
ここからは、今の私の考えです。
いまの1.25%で考え直しても、たぶん選ぶのはiDeCoです。
日本銀行が目標にしている物価の上がり方は、年2%。
物価が目標どおり上がると、1.25%の決まった利率では、目減りしていく計算になるからです。
もっとも、iDeCoも選ぶ商品しだいで、物価に追いつかないことはあります。
この「額は決まっても、価値は決まらない」という話は、国民年金基金でくわしく書きました。↓↓↓
《付加年金と国民年金基金どっち?値上げラッシュの今、基金はアリかナシか》
もちろん、通算企業年金には、一生涯もらえる終身年金という安心があります。
長生きするほど受け取る額は増えますが、物価が上がれば、その価値は目減りしていきます。
ここはホント考えても堂々巡りになりますね💦
ちなみに、当時のマネリテ皆無の私は、そこまで考えて外したわけではありません。
インフレを意識した考えは、あくまで最近の考えです。
積立なしは、選ばなかった
最後の迷いは、iDeCoで掛金を出すか、止めて運用だけにするか。
運用だけにしても、iDeCoは最低でも毎月66円の手数料がかかります(金融機関によっては上乗せあり。2026年10月時点)。
DCで2,000円しか増えなかった残高のままでは、手数料に削られるだけ。
そこで、掛金を出して積み立てるほうを選びました。
書類は郵送で、iDeCoの画面に反映されるまで2〜3か月かかりました(2024年当時)。
今も、書類の取り寄せはネット、提出は郵送という金融機関があります(松井証券の案内では、完了まで1〜2か月が目安)。
(参照:松井証券/企業型DCからの移換手続き)
ただ、これはわが家の場合です。
選び方は、こんなふうに分かれると思います。
- iDeCoで掛金も出す:利益がしっかり出て節税が効く人、60歳まで引き出せなくても困らない人
- iDeCoで運用だけ:自分で商品を選びたいけど、今は毎月の掛金を出す余裕がない人
- 通算企業年金:一生涯の年金を厚くしたい人、移すときに1回だけ事務費がかかっても、毎月の手数料は払いたくない人、運用を人にまかせたい人
※国民年金保険料の免除・猶予を受けている間は、iDeCoの掛金は出せません(運用だけになります)。
ほかの老後の制度と比べて迷った話は、こちらです。↓↓↓
《国民年金基金・付加年金・iDeCo・小規模企業共済の違いを比較|個人事業主の年金選びで実際に迷ったこと》
そして、悩んだ「証券会社と商品選び」の話は、長くなるので別の記事に書きました。
商品を基準に選んだ私が、今現在、証券会社選びにちょっと後悔している話です。↓↓↓
《証券会社はSBIと楽天どっち?投資初心者の個人事業主が王道を選ぶ理由》
移管が間に合わず、6か月過ぎたら?
ここからは、もう期限を過ぎてしまったかも、という方へ。
自動で移されたあとでも、脱出はできます。
iDeCoに掛金を出す人として加入すれば、本人が申し出なくても、お金はiDeCoに移される仕組みです。
掛金を出さずに運用だけにする場合は、移す手続きが必要です。
再就職して、次の会社の企業型DCに入った場合は、申し出なくても移されます。
(参照:厚生労働省/年金資産の持ち運び)
ただ、それまでに引かれた手数料は戻りません。
受け取れる時期が遅くなることもあります。
移すときにも、手数料(iDeCoへなら3,379円〜)がかかります。
(参照:iDeCo公式サイト/転職・退職された方へ(自動移換の手数料))
残高や、掛金を出すかどうかとあわせて、早めに行き先を考えるのが大事です。
自分のお金がどこにあるか分からないときは、自動で移された人のための電話窓口があります。
- 自動移換者専用コールセンター:03-5958-3736
- 平日9時〜17時30分(2026年10月時点)
まとめ|辞める前に知りたかったこと
振り返ると、こんな状態でした。
期限はある。
選択肢の違いが分からない。
選択肢が多い。
似た名前が多すぎる。
ほかの手続きも山積み。
夫は無関心(笑)
夫が辞める前から、少しずつ情報収集はしていましたが、
それでも、手続きを終えるまで、けっこうな時間がかかりました。
夫の在職中に、もうちょっと早く行動しておけばとちょっと思います。
慌ただしくしなくて済んだかもです。
いま、会社を辞めようか考えている方へ。
手続き多いです。
退職日が決まったら、健康保険や年金と一緒に、企業型DCのことも考えてあげてください!
迷いながら選んだiDeCoでしたが、
今は「移してよかった」と思っています。
投資信託にしたiDeCoが、たまたま増えていたのを見て、投資を勉強するきっかけにもなりました。
もちろんそれが運だったことも、分かっています。
自分で選んで後悔するほうが、私は納得できるかなと思ってます。
正解は個人個人でちがいますが、
この記事が同じように悩まれている方の参考になればうれしいです!
ちなみに、現在はさらに考えが発展して、iDeCoから少しずつNISAへシフトしています。
そのはなしはこちらに書いています。↓↓↓
《個人事業主はiDeCoとNISAどっち?わが家がiDeCoを減額してNISAに回した理由》
退職のときのお金のゴタゴタは、ほかにも書いています。↓↓↓
《退職月の社会保険料が2倍?最後の給料で2ヶ月分引かれる理由》
それではみなさま、ご安全に!
※注意・免責※
この記事は、2024年のわが家の体験と調査をもとに書いています。記憶にもとづく部分もあります。
正確な情報の掲載に努めていますが、内容の正確性・最新性を保証するものではありません。制度や料金は変わることがあるため、お手続きの前に公式サイトや窓口で最新の情報をご確認ください。
制度の説明は、執筆時点(2026年10月)の公表情報にもとづく概要です。期限や脱退一時金の条件、勤続3年未満での掛金の返還などには例外があり、勤めていた会社の規約や個別の事情で扱いが変わります。くわしくは、加入していた企業型DCの窓口や、企業年金連合会・iDeCo公式サイトでご確認ください。
手数料、手続きの方法や期間、取り扱う商品は、金融機関ごとに異なり、変わることがあります。通算企業年金の利率や移すときの事務費は、企業年金連合会でご確認ください。
特定の制度、金融機関、金融商品への加入・購入をすすめるものではありません。わが家が選んだ金融機関や商品は、当時の条件での個人的な判断です。
iDeCoでは、選ぶ商品によっては値下がりで、元本確保型の商品でも手数料によって、元本を下回ることがあります。これまでの値動きは、将来の成果を約束するものではありません。
具体的な判断は、ファイナンシャルプランナーなど専門家にご相談ください。